つづく・・・

＜その二＞　マショーは１４世紀のフランスにおいて最大の詩人であり、作曲家です。その「The Mirror of Narcissus」を始めて聴いたとき、その美しい旋律と和声に驚きました。何といったらよいのかその抒情性がたいへん印象的だったのです。マショーは、シャンソンの分野が創作活動の中心のようでしたが、「心情から作らない者は、その言葉も歌も偽って作ることになる」というマショーの言葉を後で知り、私は大変納得しました。すばらしい作品です。

＜その一＞　マショーの唯一のミサ曲「ノートル・ダム・ミサ曲」は、一人の作曲家によって通作されたミサ曲としては、今日知られている限りでは最古の作品として有名です。15世紀に一般化する形態を先取りしています。そればかりでなく、何といっても、マショーの作品には柔軟なリズム感、半音階的な変化、不協和音など大変新鮮な面もちがあります。お気に入りです。